usamofu atelierへ
ようこそ いらっしゃいませ
貴方は〇〇人目のお客様です

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遠い遠いどこかの国――
海のさざ波がきらめく街のはずれに
誰も知らないちいさなお店がありました

お店のドアは、とってもとっても小さくて
まるで小人さん専用のようです

扉のまわりには
緑の蔦がくるくると巻きついていて
ささやくように風にゆられています

ドアをくぐると、ふわり
焼きたてのクッキーの香ばしいにおいが、鼻をくすぐります
それはまるで、「ようこそ、いらしゃい」と語りかけてきているようです

窓辺には、おひさまの光をあびた
ウサギのかたちをした苺
ぴょこんとウサギ耳をのばしたサボテンたち
見たこともない不思議な植物たちが、楽しそうに並んでいます

まあるい切り株のテーブルの上には
チョコがたっぷりかかったドーナツが山のように
ふわふわのバタークリームをのせたカップケーキが
うっかりこぼれそうになって、あわてて並びなおしているところでした

その隣では
あたたかい紅茶から、やさしい湯気がのぼっています
ふんわり甘くて、ちょっぴり大人の香り

このお店の名前は『usaamofu atelier』

誰も知らない秘密の街にある
小人たちの不思議なお店です

さぁ――

ここは、ふだんの暮らしのすぐそばに
そっとまぎれこんでいる
ふしぎとひみつが たっぷり詰まったお店

お菓子でできたウサギたちが
ぴょんぴょんとお店のなかをかけ回り
クッキーのすきまから顔を出して、にっこり

誰にも知られず、静かに息づく、
小人たちの 小さな隠れ家

見上げるほど高い棚の上――
ゆらゆら揺れるカーテンのすきま――
甘いチョコの香り
もりもりクッキー山のうしろ――

どうぞ、足をとめて
急がず、焦らず、ゆっくりと
この小さなお店の時間を、お楽しみください

ようこそ、不思議の入り口へ

店主：うさもふ（おむらいす）
※キリ番・ゾロ目のご報告も、お待ちしております。